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「されど愛しきお妻さま」 発達障害の妻と高次脳機能障害になった夫

著者の鈴木大介さんは、振り込め詐欺集団や、援助交際、貧困シングルマザーなど、裏社会や触法少年少女らのルポルタージュで有名な方です。

著者の妻が発達障害を持つ「お妻さま」です。

お妻さまの特徴は
ぐうたら
リストカット中毒
メンヘラ(一般的でない単語ですが、本で使われているのでそのまま用います、精神障害を患っている、あるいは精神的に不安定な状態にある人を指す)

前半はお妻さまの持つ障害により、同居していて思うようにいかない様子が
後半は、著者が脳梗塞になり、後天的な障害である「高次脳機能障害」を抱え夫婦共に障害を抱えての暮らしが描かれます。

著者の場合
・レジでお金を出すときに、何度も金額確認を要し、小銭を出す最中に、支払い額を忘れパニックになる。
・漫画を読むのに、次にどのコマを読めばいいかわからない。
・外を歩くと景色や感情が心の中をいっぱいにし、息苦しくなる。
・人と目が合うと、視線を逸らせなくなる。
・マイナス感情に強く長く囚われてしまう。
といったもの。

全般的には、思考速度の低下、作業記憶の低下、注意障害
遂行機能障害、情緒の抑制困難といった症状を抱えます。

著者はまた、「基本的に高次脳機能障害と発達障害は同じものだとしても言い過ぎではない」と言っています。

著者自身が障害を抱え、これまでを振り返り
妻はやらないんじゃなく、できなかったんだ
妻には、何かお願いするときに、細かく分解し、ひとつひとつ伝えていけば、うまくできるんだといった気づきを得ます。
「使えない妻」じゃなく、「妻を使うのがヘタクソな夫」だったと。

後天的に障害を持つことにより、自身も当事者となったことで体感し新たな視座を得た著者が、「見る」「見直す」ことができた、お妻さまの発達障害。

それらを、今まで社会の外側にいる人たちを取材し続けて培われた、経験・知識で裏打ちし書かれているのが新しいと思います。

障害って、簡単に表現できなくて、同じ診断名でも、(目に見えない)細かい目盛りが刻まれているので、個人差が大きいですし、その人の暮らしている環境でも変わります。

ですので、沢山の事例に触れることは、理解への一つの道かと思っています。多重的な視点で障害を考えるのに、良書に思います。

本書が重版されたお礼として、追加で書き下ろされた
「僕が毎月「妻の布ナプキン」で手を血に染める理由」https://gendai.ismedia.jp/articles/-/54974
もWebで公開されており、面白いので読んでみてください。